はじめに:あなたのスマホの中にも「半導体」がある
皆さんが毎日手にしているスマートフォン。
実はその中には、「半導体」という小さな部品がぎっしり詰まっています。
もしこの半導体がなかったら、スマホもパソコンも、家電も、車も動かない——
それほど、現代の暮らしを支える“縁の下の力持ち”が半導体なのです。
とはいえ、「名前は聞いたことがあるけど、何をしているのか分からない」という方も多いでしょう。
特に文系出身の方や、新しく製造業の世界に入った方にとっては、
「物理とか化学の話が難しそう…」と感じるかもしれません。
でも大丈夫です。
この記事では、専門知識がなくても理解できるように、
半導体の仕組みや製造の流れをやさしく、順を追って紹介します。
最後には、オンラインで体系的に学べる「Start engineer 半導体基礎コース」もご案内します。
読み終わるころには、半導体が少し身近に感じられるはずです。
半導体とは?ざっくり言うと「電気の通り具合を調節できる素材」
まず、「半導体」という言葉を分解してみましょう。
“半分”に“導く”と書いて「半導体」。
その名のとおり、電気を「ちょっとだけ通す」素材のことです。
- 電気をよく通すもの → 導体(どうたい)(例:銅やアルミ)
- 電気を全く通さないもの → 絶縁体(ぜつえんたい)(例:ゴムやガラス)
- その中間が → 半導体(はんどうたい)
つまり、電気の通り具合を状況によって調節できるのが半導体の特徴です。
熱や光、電圧などの条件で性質が変わるため、「スイッチのように使える素材」とも言えます。
主役は「シリコン」──砂から生まれるテクノロジー
半導体の代表的な素材はシリコン(ケイ素)です。
実はこのシリコン、私たちの身近な「砂」にも含まれています。
そう考えると、砂がスマホの頭脳になるなんて、少し不思議ですよね。
ただし、半導体に使うシリコンは極めて高い純度(99.9999999%以上)。
微量の不純物が入っても性能に影響するため、製造現場では原子レベルの管理が行われています。
純粋なシリコンはほとんど電気を通さないため、
そこに「不純物」と呼ばれる原子をほんの少しだけ混ぜることで性質を変えます。
この操作を「ドーピング」と呼びます。
- n型半導体:電子が多く、マイナスの電気を運ぶ
- p型半導体:電子が少なく、“穴(ホール)”と呼ばれるプラスの流れを作る
この2つを組み合わせることで、「電気を一方向にだけ流す」ことができます。
この性質を利用して、ダイオードやトランジスタが生まれました。
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トランジスタ:半導体の“心臓”であり“頭脳”
トランジスタは、簡単に言えば「電気のスイッチ」です。
流す・止める・増やす——この3つの働きができる万能選手です。
このトランジスタを何億個も組み合わせたものが、
コンピュータの頭脳=CPUやメモリチップです。
スマホの中のチップには、なんと数百億個のトランジスタが詰まっています。
それぞれがものすごいスピードでオン・オフを切り替え、
アプリを動かしたり、画像を処理したりしているのです。
半導体チップができるまで:ざっくり流れをつかもう
では、どうやってその小さなチップが作られているのでしょうか?
製造工程は大きく2つに分かれます。
- 前工程(ウェハー加工):電子回路を作り込む工程
- 後工程(パッケージ化):チップを部品として仕上げる工程
前工程(ウェハー加工)
前工程では、直径30cmほどの「シリコンウェハー」と呼ばれる円盤に、
髪の毛の太さの1万分の1という極小の電子回路を描いていきます。
ここで重要なのが、以下のようなステップです。
1. 酸化・拡散
シリコンの表面を酸素で焼いて、薄いガラスのような膜を作ります。
この膜は、回路の“土台”であり“絶縁層”でもあります。
温度を上げてガスを流し込み、不純物を拡散させることで電子の通り道を作ります。
2. 成膜
CVD装置などを使い、さまざまな薄膜(フィルム)を重ねます。
これはトランジスタのゲートや配線のベースになる層です。
いわば「ミルフィーユ状」に構造を積み上げていく作業です。
3. フォトリソグラフィ
この工程が、半導体製造の“花形”。
光を使って回路のパターンを描く作業です。
フォトマスクという原版を通して紫外線を当て、感光性の樹脂(レジスト)を現像します。
これにより、シリコンの上に「電子回路の設計図」が転写されます。
4. エッチング
いらない部分を削り取る工程です。
プラズマを使ったドライエッチングが主流で、ナノ単位の加工を行います。
回路パターン以外の部分を正確に削るため、まるで“原子の彫刻”です。
5. イオン注入
高速で打ち込んだイオンをウェハーに埋め込み、不純物を局所的に混ぜます。
これで、電気の流れを細かく制御できるようになります。
6. 配線形成
電子の通り道=配線を作る工程です。
銅などの金属を成膜して、微細なパターンを刻みます。
上から見ると「電子回路の道路網」のように見えるでしょう。
後工程(パッケージ化)
ウェハーが完成したら、次は後工程へ。
チップを切り出し、配線をつなぎ、パッケージに封入して完成品にします。
- ダイシング:ウェハーをチップごとに切り出す
- ボンディング:チップと外部端子を極細の金線でつなぐ
- モールド:樹脂で封止し、衝撃や湿気から守る
- 検査:不良品を取り除き、性能をチェック
目に見えない支え役「ガスライン」の話
半導体工場の中では、製造装置だけでなくインフラ設備も重要な役割を果たしています。
そのひとつが「ガスライン」です。
前工程では、シリコンを酸化させたり膜を作ったりする際に、
酸素・窒素・フッ素など、さまざまな高純度ガスを使います。
これらは誤って混ざると大事故にもつながるため、
ガスを運ぶ配管はステンレス製で、溶接や圧力管理も厳密に行われています。
装置の裏側を支える「ガスライン」は、
半導体の“血管”のような存在です。
これを理解しておくと、装置保全や設備管理の仕事にもつながります。
文系出身でも大丈夫。半導体は「しくみ」を知れば面白い!
「理系の世界っぽくて難しい」と感じる方にこそ、
半導体の面白さを知ってほしいと思います。
なぜなら、半導体の仕組みを学ぶことは、
「目に見えないものをどう設計し、動かすのか」を理解することだからです。
これは、論理的に考え、構造を理解する“思考のトレーニング”にもなります。
たとえば、電気の流れを人の動きに例えると、
フォトリソグラフィは「設計図を描く」、エッチングは「不要な部分を削る」、
配線工程は「道路を整備する」。
そう考えると、工場で何が行われているか、少しイメージしやすくなりますよね。
半導体を体系的に学びたい方へ:「Start engineer 半導体基礎コース」
ここまで読んで、「もっとちゃんと学んでみたい」と感じた方へ。
そんな方におすすめなのが、Start engineerの「半導体基礎コース」です。
オンラインで受講でき、基礎から体系的に学べます。
このコースには次の講座が含まれています。
- 半導体概要講座
→ 半導体の全体像と、前工程・後工程の違いを理解できます。 - 半導体プロセス講座
→ ウェハー受け入れからトランジスタが完成するまでの流れを追いながら学びます。 - 半導体前工程概要・詳細講座
→ 酸化・成膜・フォトリソグラフィ・エッチング・配線形成など、主要プロセスを1つずつ丁寧に学習します。 - ガスライン講座
→ 半導体製造に欠かせない高純度ガスの仕組みや安全管理を解説。
設備保全やファシリティ業務にも役立つ内容です。
学習内容は、動画+図解でわかりやすく構成されており、
テストや復習レポートで理解を定着させる仕組みもあります。
スマホやPCからいつでも学べるので、忙しい社会人の方にも最適です。
最後に:半導体の学びは未来をひらくチケット
半導体は難しそうに見えますが、
「なぜそうなるのか」を一つひとつ紐解けば、誰にでも理解できる分野です。
そして、その知識はこれからの社会で確実に求められるスキルになります。
半導体の世界に一歩踏み出すことで、
あなたのキャリアの選択肢はぐんと広がるはずです。
Start engineerの講座で、あなたも未来のテクノロジーを支えるエンジニアへの第一歩を踏み出してみませんか?
まとめ
- 半導体は「電気を通したり止めたりできる素材」
- 製造工程は「前工程(作る)」と「後工程(仕上げる)」に分かれる
- ガスラインやクリーンルームなど、目に見えない技術も重要
- 文系出身でも、しくみを理解すればきっと面白い
- 体系的に学ぶなら「Start engineer 半導体基礎コース」がおすすめ


