初心者でもわかる電気回路の基本|設備保全・PLCにつながる“電気基礎”を徹底解説

用語集

はじめに

「電気回路」と聞くと、難しそうなイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
しかし、製造現場で設備を保守したり、PLC(シーケンサ)を扱ったりする技術者にとって、電気の基礎は“避けて通れない道”です。

モーターが動くのも、センサーが反応するのも、PLCが信号を判断するのも、すべては電気回路の流れの上に成り立っています。
それなのに、「回路図が読めない」「電圧と電流の違いが曖昧」といった苦手意識を持つ新人技術者は少なくありません。

この記事では、初心者でも理解できるように電気回路の基礎を体系的に整理し、設備保全・PLC制御とのつながりまでわかりやすく解説します。
最後には、基礎からしっかり学びたい方向けに、eラーニング講座「電気基礎コース」もご紹介します。


1. 電気回路とは?

1-1. 電気が流れる“道”=回路

電気回路とは、電気が流れるための通り道です。
電源(電池や電源装置)からスタートした電気が、スイッチや電球などの負荷を通って再び電源に戻る「閉じたループ」を作ることで、初めて電流が流れます。

ポイント

  • 回路が“閉じている(閉回路)”ときに電気が流れる
  • どこかで途切れる(開回路)と電気は流れない

家庭の照明スイッチをOFFにすると電気が止まり、ONにすると流れるのはこの原理です。


1-2. 電圧・電流・抵抗の関係

電気を理解するうえで最も重要な3要素が、電圧(V)・電流(I)・抵抗(R)です。
この3つの関係を覚えると、どんなトラブルも理屈で考えられるようになります。

要素たとえ単位説明
電圧 (V)水圧ボルト電気を押し出す力
電流 (I)水の流れアンペア流れる電気の量
抵抗 (R)ホースの細さオーム電気の流れにくさ

この3つの関係を表すのがオームの法則(V = I × R)です。
電圧が高ければ電流は多く流れ、抵抗が大きければ電流は少なくなる。
これをイメージで理解できると、電気の世界が一気にクリアになります。

💡初心者がつまずくポイント
「電流が多い=電気が強い」ではありません。
電流が多すぎると装置が壊れることもあるため、抵抗で適切に“流れを制御”することが大切です。


2. 直流と交流の違い

2-1. 直流(DC)とは

乾電池やバッテリーのように、常に同じ向きで流れる電気のこと。
時間が経っても電圧や電流の向きが変わらないため、電子回路などに使われます。

2-2. 交流(AC)とは

家庭や工場で使う電気の多くが交流です。
交流は時間とともに電流の向きが周期的に入れ替わります。
日本では、東日本が50Hz、西日本が60Hz(1秒間に50~60回)です。

種類流れる向き主な用途
直流(DC)一定方向電子回路、電池機器
交流(AC)プラスとマイナスが周期的に交互家庭電源、工場機器

💡現場での注意点
交流回路では“感電”の危険が高く、絶縁・接地・電源遮断の確認が必須です。
テスター測定時には、直流/交流レンジの切り替えを間違えないようにしましょう。


3. 設備保全の現場で使える電気回路の知識

設備保全では、「機械が止まった」「モーターが動かない」といったトラブルに日々対応します。
こうした問題の約半分以上は電気系統に原因があるとも言われています。

3-1. よくあるトラブルと原因例

トラブル主な原因チェックポイント
モーターが動かない電源断、ヒューズ切れ、配線断線電圧測定、導通確認
センサーが反応しない制御信号の断線、入力不良センサーの電源・出力極性
ブレーカーが頻繁に落ちる過電流、短絡(ショート)電流値測定、漏電チェック

⚙️現場での鉄則
「電気は目に見えないからこそ、“流れを想像できる人”が強い」
回路図を読める人は、トラブル時に原因を素早く絞り込めます。


3-2. 安全と効率を守るための基本ルール

  1. 電源を必ず切る
     作業中の通電は感電や火災の危険。ブレーカーや主電源を確実にOFFに。
  2. アースを取る
     漏電時に電気を地面に逃がす安全装置。定期点検を忘れずに。
  3. 測定器の扱いを覚える
     テスターのレンジ設定を誤ると、装置を壊すことも。
  4. 保護装置を理解する
     ヒューズ、漏電遮断器、サーマルリレー──どれも“安全の最後の砦”です。

4. PLCを理解するための電気回路の基礎

PLC(Programmable Logic Controller)は、リレー制御をプログラムで再現する装置です。
PLCの動きを理解するには、電気回路の知識がそのまま役立ちます

4-1. リレー制御とPLCの共通点

PLCの「ラダー図」は、電気回路をそのまま“はしご状”に表したもの。
スイッチ(入力)とランプ・モーター(出力)を結ぶ構造は、実際の回路とほぼ同じです。

図解案⑤

  • タイトル:「リレー回路とPLCラダー図の関係」
  • 内容:左にリレー接点、右にPLCラダーを並列配置
  • キャプション:「PLCは“電気回路をソフト化したもの”」

4-2. よくある誤解

「PLCはプログラムがすべてを制御する」と思われがちですが、実際にはPLCの外側にある電気回路が命を吹き込みます。
センサーやモーターの動作は、電源・極性・回路構成に左右されるため、回路理解なしにトラブル対応はできません。

まとめ

  • PLCの基礎は電気回路の基礎
  • 信号の“入り口(入力)”と“出口(出力)”の電気的仕組みを理解することが第一歩

5. 電気の基礎を体系的に学ぶなら

独学ではなかなか体系立てて学びにくい電気の基礎。
そんな方には、Start engineer(スタートエンジニア)の「電気基礎コース」がおすすめです。

コースの特長(抜粋)

  • 初心者専用設計:数学・物理が苦手でも理解できる構成
  • 現場で役立つ実例解説:モーター、センサー、制御盤のトラブル例をもとに解説
  • 6つの講座で体系的に学習
    • 電気回路講座
    • 電気測定器講座
    • 電子部品講座
    • センサ講座
    • モーター講座
    • はんだ付け講座

1つのコースで「基礎理論 → 測定 → 部品理解 → 制御応用」までをカバーできるため、電気初心者が最短で“現場で使える知識”を身につけることができます。

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6. まとめ

  • 電気回路とは、電気の流れる“道”のこと
  • オームの法則を理解すれば、回路の性質を予測できる
  • 設備保全・PLC制御のトラブルは、電気の流れを追えば解決できる
  • 安全な作業には、電気基礎の知識が欠かせない

最初は難しく感じても、「流れのイメージ」を持つことが第一歩です。
電気回路の仕組みを理解すると、機械の動作原理やPLC制御の意味も自然とつながっていきます。

電気を“苦手分野”から“得意分野”に変えるために、今日から一歩を踏み出してみましょう。
Start engineerの講座が、その最初の一歩を支えるはずです。

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